東京バタフライ (2020):映画短評
東京バタフライ (2020)たとえ夢に破れても人生は続く
メジャー・デビューを目前に控えながら、売れ線を求めるレコード会社の方針を巡って空中分散してしまったバンド。それから6年後、今は別々の道を歩む元メンバーが、ひょんなことから再び集まり、長いこと引きずり続けたわだかまりに自分たちならではの決着をつける。世の中には夢を実現できた幸運な人よりも、様々な理由から志半ばで挫折してしまった人の方が遥かに多い。たとえ夢に破れても長い人生は続く。ここでは「その後の人生」に焦点を当て、夢と現実の折り合いをつけることの苦しさを描きつつ、人それぞれの幸せの在り方を模索する。女優が本業ではない白波多カミンの朴訥とした芝居は、ヒロインの不器用な生き方そのもののようだ。
この短評にはネタバレを含んでいます