BOLT (2019):映画短評
BOLT (2019)“俺たちの濱マイク”が見え隠れ
悲哀を感じる父親役が続き、感慨深かった永瀬正敏だが、短編3本で構成された林海象監督作だけに裏切らない! 高松市美術館に作られた巨大セットで展開する、『Fukushima 50』よりも緊張感みなぎる男たちの覚悟。遺品整理業を通して、「ザ・ノンフィクション」ばりに見えてくる厳しい現実。そして、タイヤメイカー「Goodyear」看板の“o”が抜けたことで見えてくる演出が痺れるクリスマスの奇跡。震災によって人生を狂わされた一人の男の顛末をサスペンス、人間ドラマ、ファンタジーと異なるジャンルで演じながらも、しっかり“俺たちの濱マイク”が見え隠れ。一見実験的ながら、しっかりエンタメとして着地している。
この短評にはネタバレを含んでいます