日本独立 (2020):映画短評
日本独立 (2020)日本国憲法制定と日本独立を巡る舞台裏ドラマ
伊藤俊也監督らしい挑発的な作品である。第二次世界大戦の終結後、日本の新憲法制定と独立を巡る日米の白熱する駆け引きを描いた歴史ドラマ。あえて護憲派・改憲派のどちらのスタンスも明確には取らず、基本的には客観的な視点を貫いているが、その一方で戦後日本の不完全で歪んだ民主主義の原点を憲法制定の舞台裏に見出しているようにも思える。また、GHQによって戦前の日本が否定され分断されることを嘆くような場面もあるが、しかしアジア諸国で2000万人以上もの犠牲者を出した大日本帝国の狂気を否定することは至極当然であろう。アメリカ側の描写にも首を傾げる点は少なからずある。色々な意味で論議を呼ぶ映画だ。
この短評にはネタバレを含んでいます