生きろ　島田叡－戦中最後の沖縄県知事 (2021)：映画短評

日本が降伏したのちも戦闘が続いた沖縄の県知事だった島田叡氏の人となりと沖縄戦の実態がさまざまな証言から蘇り、涙ボロボロ。官選知事として軍部との関係を良好に保とうとしながらも県民の命を守ることを第一に考えた島田の業績や葛藤、民主主義が根底にある思想に大きく頷く。陸軍と海軍のメンツ合戦をはじめとする軍部のアホらしさや民間人を盾にするような愚策の責任を今追求しても無意味で、戦争だけはしないでほしいと願いのみ。安倍政権下でのモリカケ問題や菅首相長男の接待問題など政治家の資質が問われる現在、政治に携わる人は全員、島田の姿に政治家としてのあり方と役目を学んでほしいと切に願う。