ある用務員 (2020):映画短評
ある用務員 (2020)“『ヤクザと家族』side-B”として観るのもアリ
商業映画2作目にして、『ダイ・ハード』を目指した阪元裕吾監督作らしいブラックな笑いと、いい顔したオトナが殺人ゲームを繰り広げるVシネ感が融合。物語を転がしていく般若の誰にも止まらないキレ芸が前半をかっさらっていくなか、「じつは最強の用務員でした」を演じる映画初主演の福士誠治は、スタントなしで、さまざまな接近戦を披露。角度によってはイーキン・チェンに見える哀愁漂う色気など、いつもの阪元監督作らしくない要素も評価したい。また、近年の日本映画には珍しいほどタバコの匂いが充満し、“『ヤクザと家族』side-B”な視点で観ると興味深い。ただ、劇伴に関してはベタすぎた感が強い。
この短評にはネタバレを含んでいます