めまい 窓越しの想い (2019):映画短評
めまい 窓越しの想い (2019)素のままでは生きづらい時代に希望はあるの?
主人公は契約社員で、不安定な立場や上司との秘密の恋、母親との関係でストレスだらけ。しかし、そんな彼女を気に掛ける男性がいる。まるで天使みたい。高層ビルのオフィス内で笑顔を顔に貼り付けてあがくOLと天空を自由に移動する窓清掃員の対比が詩的で、意味深。一流企業のようだが、社内に蔓延る古臭い考えにヒロインが疲弊していく感じに「他人事じゃない」と思う女性は少なくないかも。身体にも異常をきたす職場環境の恐ろしさよ!? 演じるチョン・ウヒの感情を抑制した表情が効果的だ。『LETO レト』のユ・テオ演じるイケメン上司をめぐる物語にも旧態依然としたアンチが反映され、悲しくなった。藁にも縋りたい時代だな。
この短評にはネタバレを含んでいます