シノノメ色の週末 (2021):映画短評
シノノメ色の週末 (2021)ワタシたちも大人になれなかった
高校卒業から10年、現在の自分に疲れてしまったアラサー女子3人が母校の廃校を機に集い、過去の自分に励まされていく、いわば同窓会映画。タイムカプセルを探すというストーリーや展開自体、決して新しいものではないが、いかにも『月極オトコトモダチ』の穐山茉由監督らしい厳しくも温かいまなざしが光る一編に仕上がった。繊細な演出に、ノスタルジーが売りとなる青春モノにありがちな回想シーンに頼らないことの面白さ。また、“女子高あるある映画”でもあるので、中井友望が演じる現役JKの登場は、3人娘との変化やジェネレーションギャップだけでなく、過去と現在を結びつけるキーパーソンになっている。
この短評にはネタバレを含んでいます