幕が下りたら会いましょう (2021):映画短評
幕が下りたら会いましょう (2021)松井玲奈が妹を失った主人公の心の揺らぎを好演
学生時代に一緒に音楽活動をしていた親友を回想する『いつか輝いていた彼女は』の前田聖来監督の長編&商業デビュー作は、妹を失った劇団主宰者の心の揺らぎを描写。一本の戯曲が姉妹の関係性を結びつけるなか、前作同様、どこかモヤモヤとした空虚感が特徴的だ。今回も嫉妬やマウントといったリアリティ満載の女性あるあるがスパイスとなるなか、家族や仲間との問題に留まらず、パワハラ問題など、さまざまなテーマを扱ったことで、まとまりに欠けてしまった感アリ。そんななか、感情をうまく表現できない主人公を演じる松井玲奈が魅せる芝居はさすがの一言。それを堪能するには、エンドロールまで席を立たないように。
この短評にはネタバレを含んでいます