私ときどきレッサーパンダ (2022):映画短評
私ときどきレッサーパンダ (2022)ファニーで温かい成長物語。友情の物語でもある
短編「Bao」でオスカーを受賞した中国系カナダ人監督ドミー・シーの長編デビュー作は、さらにパーソナル。そもそも「Bao」の主人公を男の子にしたのは、女の子だと7分では語れないからだったそう。「Bao」は子離れの話だったが、今作は娘と母、両方の視点から、成長過程で生まれる関係の変化を見つめる。親の期待にかなうよう頑張ってきた“良い子”が真の自分を見つけるというメタファーにレッサーパンダをもってきたのは、抜群のアイデア。主人公の友達もそれぞれに個性があり、しっかり描かれている。3Dアニメーションに日本のアニメと漫画の特徴を組み合わせたビジュアルは、斬新でファニーでキュート。心温まる一作。
この短評にはネタバレを含んでいます