世界で戦うフィルムたち (2023):映画短評
世界で戦うフィルムたち (2023)カンヌに沸く今だからこそ観たい「戦い方」
アメリカ・アリゾナ州を筆頭に、コロナ禍の世界各地を駆け回り13の賞を獲った『12ヶ月のカイ』(7月一般公開)をめぐるドキュメンタリーという一面を持ちながら、“海外(映画祭)との向き合い方”という日本映画界が抱える重要な問題に迫る。四の五の言わず、とりあえず行動に起こした亀山睦木監督のバイタリティは、くすぶっている若手監督なら見習うべきであり、谷垣健治氏による「トライ&エラーを繰り返さないと」など、成功者の言葉は説得力がありすぎる。また、語学力の壁や韓国映画界との差についても追及するなど、このクオリティで2週間限定の単館上映はもったいない! 全国のミニシアターでかけるべきだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます