潜水艦クルスクの生存者たち (2018):映画短評
潜水艦クルスクの生存者たち (2018)ロシアの権威主義を浮き彫りにする海洋ディザスター映画
‘00年にバレンツ海で起きたロシア原子力潜水艦の沈没事故の映画化。浸水していく艦内で決死の脱出を試みる生存者たち、彼らの生還を願って待ち続ける家族、なかなか進まない救出作戦などなど、ディザスター映画の基本を押さえたスペクタクルな見せ場の数々は、さすがリュック・ベッソン率いるヨーロッパ・コープの作品だけに安定感がある。実は今から4年前の映画なのだが、事故の背景として名誉を重んじて人命を軽んじるロシアの前時代的な権威主義が浮き彫りになるところもタイミング的に興味深い。ただ、ロシア側も救援協力したイギリス側もセリフが全て英語であるため、しばしば両者の見分けがつかなくなるところは玉に瑕かもしれない。
この短評にはネタバレを含んでいます