三姉妹 (2020):映画短評
三姉妹 (2020)優れた女性映画を生み出す韓国から新たな傑作が!
他人の機嫌をうかがって周囲の言いなりになる気弱な長女、理想的な家庭を築くことに執着する完璧主義者の次女、自己肯定感の低さゆえ周囲に八つ当たりする攻撃的な三女。お互いを大切に思いながらも時に傷つけあう三姉妹の物語を通して、家父長制に縛られた男性社会において、常に我慢や忍耐や犠牲ばかりを強いられてきた女性たちの怒りと哀しみと痛みが静かにえぐり出されていく。これは韓国女性映画の新たな傑作。親世代である三姉妹それぞれが自らの心の闇と対峙することで、若い世代に同じような思いをさせてはならないというメッセージが打ち出される。韓国と同様に家父長制的な価値観が根強い日本でも共感する観客は多いはずだ。
この短評にはネタバレを含んでいます