ほとぼりメルトサウンズ (2021):映画短評
ほとぼりメルトサウンズ (2021)飯テロ要素もある、音をめぐる家族の物語
街の音や生活音を録音して土に埋めていく「音の墓」をめぐる、いかにもMOOSIC LAB参加作品。『スパゲティコード・ラブ』でも異彩を放っていたxiangyuと相変わらずな雰囲気の鈴木慶一という、年齢差45歳の新旧アーティストの絶妙なバランスが味わい深い。そんな2人の疑似家族の物語が展開されるなか、ミイラ取りがミイラになってしまう平井亜門のすっとぼけた感じも、いいアクセントになっていく。コロナ禍の日本社会における限界集落の存在、生きることや死ぬことについて考えさせられる東かおり監督のメッセージ性の強い一作ではあるが、ケチャップ入りそうめんや餃子づくりなど、飯テロ映画としても楽しめる。
この短評にはネタバレを含んでいます