キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱 (2019):映画短評
キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱 (2019)時代の先を行った偉大なる女性は、妻であり母だった
子供の頃にキュリー夫人の伝記を読んだことがある人は多いことと思うが、今作は、女性としての彼女に焦点を当てる。完全な男社会だった20世紀初めに、女性の、それもとりわけ優れた科学者であるのはどんなことだったのか。「ペルセポリス」の女性監督マルジャン・サトラピと主演のロザムンド・パイクは、この偉大な人物を、欠点もあるひとりの人として描いていく。映画は途中時間がジャンプし、彼女と夫が発見した放射性元素が、その後レントゲンやガン治療など良いことに使われる一方、広島やチェルノブイリの悲劇を起こしていくことにも触れる。科学は政治とつながっているのだということをあらためて思い出させられた。
この短評にはネタバレを含んでいます