チーム・ジンバブエのソムリエたち (2021):映画短評
チーム・ジンバブエのソムリエたち (2021)必ず報われると信じて努力するソムリエたちに励まされる
ワインの存在しない国ジンバブエから初参加したソムリエたちが、ブラインドテイスティングの世界大会に挑む様子を取材したドキュメンタリー映画。実はメンバーの全員が経済破綻した母国から南アフリカへ逃れた難民。より良い生活を求めて異国へ脱出したものの、そこで彼らを待ち構えていたのは差別と貧困の抱き合わせという新たな地獄。そんな彼らの人生を変えたのがワインだったというわけだ。努力をすれば必ず報われると信じて一途にワインの道を究めた彼らが、伝統的に白人社会であるワインの世界でトップを目指す。その挑戦にどこか救われたような気持になるのは、必ずしも常に努力が報われるわけではないという現実があるからだろうか。
この短評にはネタバレを含んでいます