インテグリティ/煙幕 (2019):映画短評
インテグリティ/煙幕 (2019)「なんそれ!」な2019年香港No.1ヒット作
香港映画界において、今や警察映画より主流になった汚職捜査機関・廉政公署(ICAC)の活躍を描いたサスペンス。実話ベースとはいえ、アラン・マック監督が明らかに“ICAC版『インファナル・アフェア』”を狙った作りだ。ラウ・チンワン&アニタ・ユンの『つきせぬ想い』コンビ共演シーンに胸アツになるも、タバコ業界の不正を告発した会計士が、タイトル通りドロンと消える冒頭に始まり、亀裂の入った同僚夫婦の痴話喧嘩や中国大陸を意識したエンディングなど、「なんそれ!」の連続。設定上、銃撃戦などのド派手演出が難しいだけに、過剰な劇伴やホラー演出などで盛り上げようとしているが、その空回りっぷりが妙に味わい深い。
この短評にはネタバレを含んでいます