オマージュ (2021):映画短評
オマージュ (2021)時代を超えて連帯する女性たちの苦悩と迷い
またもや韓国から優れた女性映画がやって来た。主人公はキャリアに行き詰まった既婚者の映画監督ジワン。家族からは「妻の務めを果たせ」「いつまで夢を見ているんだ」と責められ、男社会の映画界で共に闘ってきた女性仲間も脱落する中、’60年代に活躍した女性監督の幻の映画を修復することになり、女性にとって今よりもさらに過酷な時代を生きた先人の足跡を追っていく。同じような苦悩と迷いを分かち合う2人の女性が、60年の時を超えて互いに共鳴し連帯していく物語。果たして、我々の社会はどれだけ進歩したのか。先人の苦労に報いることが出来ているのか。これは、韓国と同じく男尊女卑の根強い日本社会にも突きつけられる問いだ。
この短評にはネタバレを含んでいます