縁路はるばる (2021):映画短評
縁路はるばる (2021)ライター2人の平均評価: 4
ポップさを基調にしつつ、痛烈なメッセージも
これまで香港の街並みが大きなカギとなる、謎解きドラマや誘拐サスペンスを撮ってきたアモス・ウィー監督によるラブコメディ。もちろん、今回も香港がカギとなるが、高層ビルや賑やかな繁華街と無縁の“僻地”。突然「モテキ」が訪れた主人公が、さまざまな交通を使って美女を送り届けるRPG感覚な展開で、香港のデート文化のほか、土地不足や地価高騰問題を皮肉りまくる。また、ハンナ・チャンら、旬の女優共演や全編を彩るインディーポップなど、ポップさを基調にしつつ、「六七暴動」の舞台であった沙頭角が登場し、「民主化運動」で怪しい動きをした地下鉄を使用しないなど、痛烈な政府批判も込められた骨太な一本でもある。
香港発のポップでチャーミングでお洒落なラブストーリー
28歳で恋愛経験は1度っきり、地味で不器用で奥手なオタクITエンジニアに、突如としてモテ期が到来。入れ代わり立ち代わり5人の美女たちと良い感じになるのだが、しかし女心がサッパリ分からない、口下手で言いたいこともろくに言えない、そんな主人公が果たして本当に幸せをゲットできるのか!?という非モテくん卒業ラブストーリー。これがまあ、なんともポップでチャーミングでお洒落なこと!5人の女の子たちがなぜかみんな僻地に住んでいるということで、古き良き時代の面影を残す香港各地のレトロな風景も存分にフィーチャー。爽やかギターポップなサントラもイカシている。これはデートムービーとしてもおススメ。