春に散る (2023):映画短評
春に散る (2023)作り手の本気が伝わる硬派な仕上がり
『64-ロクヨン-』の監督・主演コンビだけに、いろんな意味で“本気”を感じるなか、ガチの格闘家でもある横浜流星が参戦したことで、さらに硬派な仕上がりに。上・下巻の原作小説を133分にまとめているため、ややエピソードが端折られている感はあるが、2世代の絆を描いた『クリード』な展開はかなり王道。そのため既視感が強いものの、おなじみなボクサー役にして、まさかのチャラい窪田正孝から『スワロウテイル』以来の実写映画出演となる山口智子まで、いい顔した役者陣が演じるキャラがそれぞれ魅力的に映る。文字通りの力作であることは間違いないが、終盤の試合シーンでのスローモーションで、ちょい興覚め。
この短評にはネタバレを含んでいます