1PM-ワン・アメリカン・ムービー (1971):映画短評
1PM-ワン・アメリカン・ムービー (1971)L.ジョーンズやジェファースン・エアプレインは必見として。
撮影は完了しながらもゴダールが放棄して幻の作品となった『1AM』を、共作者であるペネベイカーが自分流に編んだ作品。冒頭15分、ドキュメンタリー部分(実際のインタビュー)と、それをそのまま俳優に再現させるという形を取る、と作品の意図をゴダールが蕩々と語るが、本作はむしろメイキングに近い形になっている。識者の言葉をそのままインディアンの格好をしたリップ・トーンが復唱するシーンなど、おそらくこれの発展形である『東風』くらいつまらない。しかし、ウォール街で働く女性を追う長い移動シーン、そこで喋られた彼女の言葉を、黒人民権運動が盛んらしい中学校の教壇に殴り込んだ俳優が再現するシーンには燃える。
この短評にはネタバレを含んでいます