バラシファイト (2023):映画短評
バラシファイト (2023)「演劇に関するすべてにリスペクト」って言葉に嘘はないが。
いささかバカバカしいにせよ、確かに予算の少ない演劇に携わってきた人には共感できる部分が多い設定だろう。舞台公演が終わった後の打ち上げ参加権を巡る部署ごとのまさに肉体を行使しての闘いが、いわば『バトル・ロワイヤル』的な一種の集団SFアクション劇として描かれている。でもこれまた予算の関係からか、シェイン・コスギのアクション・コーディネイトを期待すればバトルの満足度もアイディアも展開も一本調子だし、若い俳優たちの意気込みも空回りがち。劇場内のみという限定空間さえ持て余しがち。そんな中、ごりごりの舞台演出家・俳優である浅野和之がバラシファイトのレジェンド役で出演していることにどこかホッとする。
この短評にはネタバレを含んでいます