宇宙探索編集部 (2021):映画短評
宇宙探索編集部 (2021)「流転の地球」の監督も製作に加わった異色のSF(?)映画
かつて’90年代に一世を風靡しながらも、今や廃刊寸前となった中国のUFO専門誌「宇宙探索」。宇宙人は絶対に存在する!一度でいいからUFOと遭遇したい!どれだけ困窮しても諦めきれない編集長は、とある辺鄙な村にUFOが現れたとの有力情報を掴み、僅かなスタッフを引き連れて現地へ向かう。これは言わば、宇宙の彼方へとロマンを抱く夢追い人たちの悲喜交々を通じて、それがUFOであれ宗教であれ夢や希望であれ、何かにすがらなくては生きていけない我々人間の性(さが)を、モキュメンタリー形式でじっくりと見つめた作品。シュールでブラックなユーモアの中に、人生の痛みも悲しみも喜びも希望も詰め込んだ脚本がとても巧い。
この短評にはネタバレを含んでいます