ダンサー イン Paris (2022):映画短評
ダンサー イン Paris (2022)踊る喜びを鮮やかに焼き付け、ダンサー映画として屈指の仕上がり
オペラ座の現役ダンサー、マリオン・バルボーが主演を務めたことで、クラシックからコンテンポラリーまであらゆるダンスに高度なテクニックと魂が宿る。クラピッシュ監督はステージ上のダンスを撮るアングルや編集、すべてにおいて作品の魅力を伝えるうえで完璧。さらに気鋭の振付家H・シェクターの独特の群舞が、その動きによって主人公の再生を後押し…と、ダンス映画としての魅力は最高級。ふとした瞬間に踊り始めてしまう、ダンサー“あるある”もナチュラルに物語に溶け込んでいる。
青春映画を得意とする監督なので、恋愛、家族関係といったダンス以外の主人公の心の機微も優しく掬い取ってくれる。
この短評にはネタバレを含んでいます