ため息に乾杯 (2024):映画短評
ため息に乾杯 (2024)共感できるテーマだけに物足りなさが
初めて監督、脚本、主演を兼任するこの映画で、コメディで知られてきたダニエル・レヴィは、シリアスな演技力を見せる機会を自分自身に与えた。そこはとても良いのだが、監督、脚本の部分が浅い。愛する人を突然失い、悲しみに暮れる主人公が、友達に支えられ、新たな出会いも経て次に進んでいくというテーマは、誰もが共感できるものだけに、もっとパーソナルなことをさらけ出して欲しかった。主人公に変化が起きるのが外国の素敵な街(この映画の場合はパリ)だとか、友達との大事な会話が観覧車で行われるとか、真夜中にふたりきりで閉館中の美術館に入るとか、いかにも映画っぽい。結末も予想通り。だが彼は応援したいので次に期待。
この短評にはネタバレを含んでいます