トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代 (2024):映画短評
トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代 (2024)同世代ファン、中級者ファン向けドキュメンタリー
「ポップとは彗星であり、ポップスは彗星の尾」という説明を聞いたことがあるが、まさにポップを切り開く彗星のような存在だったのが加藤和彦だった。常に世の中の5年、10年先を進んでいた彼の足跡を多くのアーティストの証言で追う。ただし、ナレーションなどの説明はなく、すでに加藤の偉大さを知っている同世代、あるいは中級者ファン向け作品になっているのが惜しい。80年代前半で足跡を追うのを止めているのは尺の問題もあるのだろうが、それも同世代向け作品という感を強くする。加藤のあの素晴らしい功績を若い人たちに知ってもらうためには、もう一度別の機会が必要だろう。エンディングは蛇足に感じた。
この短評にはネタバレを含んでいます