アイアム・ア・コメディアン (2022):映画短評
アイアム・ア・コメディアン (2022)日本の文化がこの人の芸を求める時は来るのか?
ほぼ聴き取れない速さで繰り出されるマシンガントークも、そこには本気で語りたい思いが凝縮されている…。ウーマンラッシュアワー村本のそんな個性と芸をメディアで見られなくなった残念感、そして日本のマスコミの忖度文化・閉塞への失望が、全編にじわりと浸みわたる。
コロナも相まって、村本の苦渋が深くなっていくプロセスを、気を衒った編集などは避け、そのまま提示しようとする。だから不覚な瞬間に、人間としてのコンプレックス、弱さ、そして邪な部分が発露して同目線で共感できたりするし、NYや韓国での「反応」は純粋に心に響いたりも。
村本のこれからについて、まとまりのない後味はあるものの、作品としての誠実さは残った。
この短評にはネタバレを含んでいます