ファンシー・ダンス (2023):映画短評
ファンシー・ダンス (2023)静かで美しく、強い感情に満ちた傑作
リリー・グラッドストーンは「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」でもオスカー候補入りしたが、今作はまさに彼女の映画だ。褒められるような生き方はしていないかもしれないが、家族とコミュニティに愛を持っている主人公ジャクス。その大事なものを奪われようとし、抵抗するジャクスに、観る者は強く思い入れをし、目が離せない。この映画に最もふさわしいと思えるエンディングは、心に残り、観終わってからもその先を想像させる。ネイティブ・アメリカンの日常をリアルに描く中では、彼らにとっての白人の存在についても触れられていく。美しく、静かだが強い感情に満ちた、見逃してはならない傑作。
この短評にはネタバレを含んでいます