パドレ・プロジェクト/父の影を追って (2023):映画短評
パドレ・プロジェクト/父の影を追って (2023)人間って素敵だなと素直に思える胸アツなドキュメンタリー
日本人の母親とカメルーン人の父親の間に生まれたお笑い芸人・武内剛が、40年近く前に一度会ったきりの父親に会うためイタリアのミラノへと渡る。武内氏自身が監督を務めたドキュメンタリー。右も左も分からぬ異国の地で、古い手紙に記された住所だけを頼りに始まった父親探しが、見ず知らずの人々の善意によって思いがけない展開を迎える面白さも然ることながら、’70年代の自由な空気を思いきり吸ったであろう武内氏の御両親、排他的な日本社会に反発しながら自分の道を探って来た武内氏の人生がそこに重なり、なんとも感動的な人間賛歌へと昇華されている。ホント、会いたい人には会えるうちに会っておいた方がいいね。
この短評にはネタバレを含んでいます