アイズ・オン・ユー (2024):映画短評
アイズ・オン・ユー (2024)明確な視点があり、妙な背伸びをしない監督デビュー作
主演だけのつもりが監督もすることになったアナ・ケンドリックは、実在の連続殺人犯についての話を、ありきたりのトゥルークライム物にも、センセーショナルを押し出すものにもしなかった。駆け出し女優シェリルが出演するゲーム番組という軽い状況と、犯人がほかの女性たちを狙う恐怖に満ちた状況を行ったり来たりしながら、女性にとって男性がいかに恐ろしいのか、また女性蔑視がいかに社会のあちこちに存在するのかを指摘していくのだ。そして肝心なところではしっかり緊迫感を出す。主演女優としてもいつもながらの魅力を発揮。妙な背伸びをすることなく、明確な視点を持つ映画を作った彼女の監督としてのこれからに大きく期待。
この短評にはネタバレを含んでいます