けものがいる (2023):映画短評
けものがいる (2023)
1910年のパリ、上流階級の夜会が魅惑的
2044年のパリから始まる物語は、最初は何の話なのかと戸惑わせ、次第に輪郭が明らかになり、最後に全貌が姿を現して胸を打つ。3つの時代が描かれ、時代ごとに映像がタッチを変えるが、中でも1910年のパリ、上流階級の贅沢な夜会の情景が魅惑的。
登場人物は、ほぼ2人。それを演じる俳優2人、レア・セドゥとジョージ・マッケイが、時代が変わるごとに別の顔を見せ、俳優としての力をじっくり見せつける。
原作は『ねじの回転』で知られるヘンリー・ジェームズの短編小説『密林の獣』だが、かなり脚色されている。原作が同じパトリック・シハ監督の『ジャングルのけもの』と比較するのも興味深い。
この短評にはネタバレを含んでいます