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新幹線大爆破 (2025):映画短評

新幹線大爆破 (2025)

2025年4月23日公開

新幹線大爆破

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

中山 治美

全編を貫く鉄道員リスペクトに胸アツ

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

見事なリブートだ。配役も使用車両も刷新しつつも、'75年版の物語と地続きにし、作戦も踏襲と旧作と合わせてみると一層深みが増す。ただ、サスペンスに重きを置いた旧作と異なり、緊急事態が起こった時の鉄道員にフォーカスしたことでお仕事映画としての魅力がアップ。これは樋口真嗣監督のテツ愛によるところが大きいが、はやぶさ60号のトラブル回避のために鉄道技術者にもスポットを当てて舞台裏までカメラを。さらに鉄道員役が、全ての利用客に安全と安定を届けることを原則に行動していることで迫真に磨きがかかった。企画・準備・予算・情熱。良質な作品を生むために必要なことを改めて思い知る、この上なき映像業界への刺激作である。

この短評にはネタバレを含んでいます
大山くまお

“ニッポンの現場力”は頼りになる

大山くまお 評価: ★★★★★ ★★★★★

新幹線のスペクタクル映像はさすがの一言。JR東日本が全面協力しているだけあって、鉄道好きは見て損はない。犯人像や動機が脆弱なのは、「どうやって事件を解決するか」という物語ではなく、「どうやって重大なトラブルを解決するか」に重点を置いた物語だからだろう。ある意味、ディザスター映画と言ってもいい。“ニッポンの現場力”を頼りにしなければいけないわりにはブルーカラーの人たちに見せ場が与えられず、ホワイトカラーの人たちばかりがキメキメなのが不思議だった(主人公のはずの車掌の見せ場も異様に少ない)。政治、警察が不在のまま、現場のギリギリの努力で重大事故が回避されるのも今の日本を象徴しているように感じた。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

JR全面協力+監督らしいスペクタクル映像で前半は急加速

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

『シン・ゴジラ』と同様、各人物のプライドみなぎる“お仕事ムービー”としての見ごたえを備え、疾走列車アクションの映像には、かつてのどんな映画とも違うスペクタクル感を装備。このあたりは樋口監督らしい手腕に唸る。新青森駅を出発する冒頭から鉄オタならずともテンションを上げるビジュアル連発に没入してしまう。
1975年オリジナル版とのリンクに作り手の苦心と愛が見てとれる。新幹線走行の数時間で、警察や政府など周囲のドラマがありえない急展開を見せるのも、映画らしい作り物感と許容可能。
ただ、犯人の動機の説得力不足(あくまで主観)、そして犯人がわかってからドラマにブレーキがかかり、後半の緊迫感減速は否めない。

この短評にはネタバレを含んでいます
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