デーヴ・スペクターが爆弾発言! 「アノ人を使って、石原都知事に本音を言わせたい!」
強烈なキャラクターを持ったカザフスタン人のボラットが、アメリカで珍道中を繰り広げる『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』の試写会にデーヴ・スペクターが登場し“ボラット”論を熱く語った。本作は、イギリスの人気コメディアン、サシャ・バロン・コーエンが“ボラット”という架空のカザフスタン人になりきって、下ネタ満載のギャグや度を越えた差別発言を連発し、アメリカ人の大ひんしゅくを買いながら、旅を続けていく姿を追うコメディだ。
本作を、「アメリカで公開されたときから注目していた」と語るデーヴは、この作品を「映画史上に残る名作」と高評価。この日は、宣伝部長を兼ねた“ボラッ党党首”に就任し、MCすら絶句する毒舌トークを交えながら、美女軍団とともに映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』をPR。さらにイベント後のインタビューにも応じ、作品の魅力を存分に語った。
「みずからがカザフスタンという差別される側の人間となって、相手を怒らせながら、恐ろしいほどの本音を引き出してしまう。ある意味、人類学の実験をみているような手法ながらも、大笑いしてしまうようなおもしろさを持つ独特な作品なんです」と、開口一番に話したデーヴ。
たしかにボラットの言葉は、無知な外国人をよそおっているからこそ、相手に対してとにかくストレートだ。保守的な南部のロデオ大会で、「とっととイラク人を、血祭りにあげてしまってください!」と観客を煽り、大喝采を浴びた後に、アメリカ国歌にのせてカザフスタンをたたえる歌を歌い大ブーイングを受ける……。
「あのシーンなんて、ものすごい衝撃的ですよ。アメリカなんて、ちょっと南の方にいったら、あんなに頭の固い連中がたくさんいる。“ボラット”はそういう人たちの馬鹿さ加減を、あそこまで引き出して、それを世界中に見せちゃった。それは、アメリカ人として逆にうれしいことなんです」と、デーヴはアメリカの影の部分を風刺した“ボラット”のジャーナリストとしての手腕も絶賛。
“アポなし取材”を敢行し、相手が理性を失うほど挑発して本音を引き出してしまう、異色ジャーナリストのボラット。もしも彼を日本に呼ぶとしたら、デーヴなら誰を直撃取材してもらいたいだろうか?
「僕はボラットに、石原都知事にインタビューしてもらいたい。ああいう人が、ボラットのような記者に出会ったときに、どんな反応をするか。どんな本音を吐き出すか……それにすごく興味がある」と大物政治家である石原氏の名前を口にしたデーヴ。実現することは難しいかもしれないが、石原都知事とボラットのインタビューが興味深い対決になるのは間違いないだろう。
「自分がユダヤ系でありながら、ユダヤ人を中傷する。相手の本音を引き出すために、超差別主義者の愛国主義者に成り下がる。ここまでやったコメディアンはほかにはいない!」とデーヴもお墨付きの、お下劣ながらも知的なコメディ作品『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』。世界中のジャーナリストをうならせた本作が持つ社会派としての一面も頭に置いて観ると、下ネタ満載の下に隠されたもう一つの“ボラット”像が見えてくるはずだ。
『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』は、5月26日渋谷よりシネ・アミューズほかにて全国ロードショー。
『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』オフィシャルサイト:borat.jp
ボラット・サカディエフさんのページ:movies.foxjapan.com
お騒がせ男・ボラットって何者?cinematoday.jp