ロバート・F・ケネディ JR.に直撃インタビュー!アメリカドルの崩壊も資源から…
世界中の水問題に対して、関心を高めさせてくれる作品、映画『グランド・キャニオン・アドベンチャー』(原題)に出演している、ロバート・F・ケネディ JR.に話を聞いた。彼は環境弁護士としても活躍している。この映画は、ロバート・レッドフォードがナレーションとして参加し、音楽はデイブ・マシューズ・バンドが担当している話題作だ。
-川の水問題に関して、政府はどう対応しているのでしょうか?
(ロバート・F・ケネディ JR.)アル・ゴア元副大統領の映画『不都合な真実』(地球温暖化問題に正面から取り組んだ作品)が公開されて以来、これまでの環境問題に関する世の中の姿勢が一挙に変わったんだ。まず、多くのメディアが真摯な観点からこの問題を取り上げ始めた。そして、国民と政治的指導者たちが徐々に環境問題がこれからあらゆることに関わる問題点として、ほかと切り離すことができないと気付きだした。天然資源をこれから、われわれの力でどう割り当てるかが問題になってくる。この問題は、市民権の問題でもあれば、経済問題でもあるんだ。現在の中東での石油問題がアメリカドルの崩壊をもたらしていることに人々は気付いている。
-この映画が環境問題を明確にしていると思われますか?
(ロバート・F・ケネディ JR.)わたしは、川の水の環境問題に関わってから25年経つが、これまでほとんどの人が聞く耳を持たなかった。しかし、映画『不都合な真実』がすべての状況を変えたんだ。この作品は、あの映画と違って、もっとなだめるような、やんわりとしたメッセージのため、強烈な観点で政治的に主張しているような映画ではない。だが、自然という美を所有し、それがとてつもなく重要なことで、現在われわれの手からそれが失われていることをしっかり告げることに成功していると思う。
-映画内でフーバーダムの問題点も語られていますが、近い将来この映画で紹介されたダムの封鎖は起こりえることなのでしょうか?
(ロバート・F・ケネディ JR.)最終的にグランド・キャニオン・ダムは、経済的な問題から封鎖されると思う。今世紀でほとんどのダムはなくなるだろう。これからは地下に貯水し、必要な時にくみ出す形が取られるだろう。
-あなたがこれまで環境問題のことで議論してきた中で、何が一番人々の気を引くことができたと思いますか?
(ロバート・F・ケネディ JR.)もちろん、このような映画だと思うが、まず人々に環境問題が鳥や魚のためだけじゃないことを説得する必要がある。国として、世代としてのわれわれが持つ責任から言えば、親から与えられたこの自然環境を、同じ状態のまま子供たちに提供する必要がある。それはこの環境が歴史とのつながりも持たせ、最終的に人の価値、徳、人格を形成していくからだ。
この映画は、ドキュメンタリーではないので、エンターテインメント性の強い映画に仕上がっている。しかし、この広大な自然をわれわれが共有していることをリアリティを持って深く認識させてくれる。(取材・文:細木信宏)