不況は関係なし!全米ボックスオフィス史上最高の総合成績が!-12月28日版
全米ボックスオフィス考
不景気なときは映画でも観て現実を忘れようということなのだろうか。不況の嵐が吹き荒れるアメリカだが、映画業界はクリスマスと正月が一度にやって来たような好景気となり、今年のクリスマスは歴代最高の総合興行収入を記録した。(ボックスオフィスの集計が始まって以来のクリスマス時総合興行収入が史上最高)
記念すべき週末のボックスオフィスで第1位を飾ったのは、ジェニファー・アニストンと可愛い犬が主演の映画『マーリー&ミー』(原題)で3,700万ドル(約33億3,000万円)の収入。2位はディズニーの実写コメディーファンタジー映画『ベッドタイム・ストーリー』(原題)で2,807万ドル(約25億2,630万円)、そして3位はブラッド・ピット主演の映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』が2,700万ドル(約24億4,300万円)を記録した。(1ドル=90円で計算)
クリスマス当日のみで1,470万ドル(約13億2,300万円)を記録した『マーリー&ミー』は、歴代の成績と比較しても、2004年のクリスマスに1,950万ドル(約17億5,500万円)の興行収入を記録した、ベン・スティラー主演映画『ミート・ザ・ペアレンツ2』に次いで第2位という上々の出来。
クリスマス前の予想では、アダム・サンドラー主演『ベッドタイム・ストーリー』が1位になるのでは、と言われていたが、クリスマス当日のみの売り上げでは1,200万ドル(約10億8,000万円)を売り上げた『ベンジャミン・バトン数奇な人生』に次いで第3位となった。
続いて今週末ボックスオフィス第4位は、トム・クルーズ主演、ヒットラー暗殺計画の中心となったナチ将校を描いた映画『ワルキューレ』で2,153万ドル(約19億3,770万円)の売り上げ。トップ3中、2作品がソフトなテーマだったので、辛口ドラマを好む大人の足が『ワルキューレ』へと向いたのだろう。第5位は先週の第1位から転落したジム・キャリー主演の『イエスマン』で1,645万ドル(約14億8,000万円)となった。
さて、今週全米公開になる作品はたったの1本しかない! 子ども向け・家族向けのホリデイ映画に食傷気味の映画ファンには新鮮な休憩かもしれない。今週アメリカで公開される唯一のメジャー新作は、ヴィゴ・モーテンセン主演の映画『グッド』という小粒だがピリリと辛いドラマだ。1930年代社会主義の風潮が高まるドイツに生きたジョン・ハルダーという文学教授の苦悩と彼の作品が当時ドイツにおよぼした影響を描く。(取材・文:神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu)