『バットマン』マイケル・キートンが、監督デビュー作のドラマについて語る
映画『バッドマン』『バットマン リターンズ』でバットマンを演じたマイケル・キートンが、監督デビューを飾った映画『ザ・メリー・ジェントルマン』(原題)について話してくれた。
本作は、夫から虐待を受けていた妻ケイト(ケリー・マクドナルド)が、夫を捨てて新しい町で人生をやり直そうとした矢先、自殺願望を持ったヒットマン(マイケル)と出会って恋に落ちるという作品。
監督だけでなく主演も務めたマイケルは「困難な点と楽だった点の2つがあるんだ。限られた時間と少ない予算で撮影する独立映画だと、監督として自らの要求次第で、ことがスムーズに運ぶんだよ。ただ、撮影現場ではほかのことに常に気を配っているから、自分の演技がおろそかになっていたかもしれないね」と監督と主演をこなす大変さを語ってくれた。
ケリーとの共演については「多くの人は彼女のことを知らないんだよね。それは、彼女が毎回役に成り切り過ぎてしまっているからなんだ。観客は別の映画で彼女を見ていても、気付かずにいるケースがあるんだよ。ケリーは本当に素晴らしい女優で、いつも準備万端だった。ケリーとキャラクターについて電話で話していたときのことなんだけど、僕ができるだけ彼女にキャラクターを理解してほしくって、ついつい長電話してしまったんだ。そしたら『もうそこで話すのを止めて下さい』とかわいく言ってくれてね。彼女にしてみれば、とっくに理解していて『うるさい!』と言ってもいい状況なくらいだったのに(笑)」と述べ、ケリーが参加したことで、監督をやろうと心に決めたらしい。
これから監督として挑戦してみたいジャンルはあるのだろうか? 「コメディーをやりたいと思っているんだ。ウィル・フェレルのやりすぎた感じのコメディーにはいつも笑わされるよ。スティーヴ・カレルのどこか静かなんだけれど、風変わりで突拍子もないことをやるようなキャラクターも好きだね。まあ、今のところ次回作の予定はわからないな」と監督として挑戦する意欲はあるようだ。
インタビュー時、マイケルは足をケガしており、つえをついてインタビュー会場に現れた。しかし質問が始まると、一つの質問に5分以上も返答するなど、ジェントルメンらしい振る舞いをしていた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)