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川嶋あい、映画『8月のシンフォニー』に込めた亡き母親の思い出を語る

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優しい歌声と心が魅力的な川嶋あい
優しい歌声と心が魅力的な川嶋あい

 ストリートミュージシャン出身のシンガー・ソングライター、川嶋あいがこのほど都内でインタビューに応じ、自身の手記「最後の言葉」が原作のアニメ映画『8月のシンフォニー -渋谷2002~2003』に込められた、亡き母親への思いを語った。

映画『8月のシンフォニー -渋谷2002~2003』

 本作で一番好きなシーンを尋ねると「母と福岡弁で電話するところです。母は電話魔で、1日数十回もかけてきては、その度に『今、何しとっと?』と言うのが口癖でした」と懐かしそうに話す。幼くして父を亡くし、女手一つで育てられ、歌手になる夢を強力にバックアップしてくれた母親に思いをめぐらせる。

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 川嶋の母親は社交的な人柄だったようで人脈が広く、いろいろな人を自宅に招き、ごちそうするのが何よりも好きで、相撲部屋の力士や演歌歌手の鳥羽一郎なども川嶋の家にひんぱんに出入りしていたという。

 「映画の中の母はおとなしく上品なイメージでしたが、実物はもっとずっと豪快な人。そこだけはフィクションって感じですね」と笑う。母親は川嶋が16歳のとき、メジャーデビューを待たずに他界した。だが、鳥羽一郎とは今でもメールを交換する間柄と、母親から貴重な“遺産”を受け継いだ。

 近年、川嶋は社会貢献活動にも積極的に取り組み、これまでにアジアやアフリカに3つの学校を建設した。きっかけは、中学生の時、飢餓で苦しむアフリカの子どもの映像をニュースで見たことだった。

 「どこの国も日本と同じで豊かだと思っていた」とその映像から受けたショックが、「発展途上国の子どもたちに教育を受けさせてあげたい」という思いに転化。19歳のとき、学校建設という形で実現させた。

 昨年、カンボジアの学校を視察に行った。「水も電気もない場所なのに、子どもたちの笑顔は日本と一緒なんです。私が作った校歌を、子どもたちが歌ってくれたときの感動は今でも忘れられない」とうれしそうに話す。

 現在、東南アジアの東ティモールに学校を着工中。「発展途上国の子どもたちが笑顔で教育を受けられるように、これからも1年に1校ずつ学校を作っていきたい。」と瞳を輝かせる川嶋。そんな彼女の献身的な優しさ、純粋さがテーマになっている本作は、観る者の心をポカポカと温めてくれそうだ。

映画『8月のシンフォニー -渋谷2002~2003』は8月22日より全国公開

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