池脇千鶴とはとっくに別れた…新井浩文に千鶴ファンの高橋伴明監督が猛烈嫉妬
29日、渋谷ユーロスペースで映画『BOX 袴田事件 命とは』の初日舞台あいさつが行われ、出演した萩原聖人、新井浩文、石橋凌と高橋伴明監督が登壇した。
現在の死刑制度と冤罪という重いテーマに踏み込んだ本作。観終わった観客を前にして伴明監督は、「こんなにたくさんの方に来ていただいて(本日初日の)『座頭市 THE LAST』とか、(6月5日公開の)『告白』に行かれてガラガラかなと思ったのですが」と一発ジョークを飛ばした。一方、本意ではない死刑判決を下すことになる元裁判官にふんした萩原は、「この楽しい週末にこのような重く、暗く、地味なテーマを扱った映画を選んでいただいて、皆さんが関心を持っていることを知り感謝しています」とあいさつした。
無罪を訴え続ける死刑囚を演じた新井は、「渋谷だから若い人多いですね。市原くんの映画『ボックス!』と間違えたんじゃないですよね」とトボけてみせ会場を笑わせた。また、かつて女優の池脇千鶴とうわさになっていたという新井は、「監督とお仕事をするのは今回が初めてで、最初に飲みに行ったときに、『おまえ池脇とは別れたのか?』と問われ一体いつの話をしているのだろう思いました」と監督が大の池脇ファンであることを暴露していた。そして、「取り調べで自白する重要なシーンのとき、自分の演技に納得いかない感じをしていたら監督に『自分の芝居気に入らないのか? おれがOKといったら大丈夫なんだよ』と励まされうれしかったけど、そのあと『池脇は毎回泣けるけどな』と駄目だしされた」と明かし場内を爆笑させた。
作品の持つテーマの重さとは違った終始なごやかムードで進んでいた舞台あいさつだが、伴明監督は、「冤罪と言うのは人が犯す罪の中でも大変重いものです。また裁判員制度が始まって1年になりますが、そういったことなどをこの映画を通してみなさんに考えていただきたい。スタッフ、キャスト全員がつくるべき映画だと思い作りました。ぜひよろしくおねがいします」と人が人を裁くことについての難しさと命の尊さを訴えつつ映画をアピールした。
本作は、『禅 ZEN』『光の雨』など骨太作品で知られる高橋伴明監督がメガホンをとり、「袴田事件」といわれる1966年に静岡県で起きた一家4人殺人放火事件を題材にしたノンフィクション映画。拷問による自白証拠で犯人とされた元プロボクサーの袴田巌(新井浩文)と一審で無罪と思いながら死刑判決に関わることになった熊本典道元裁判官(萩原聖人)の葛藤(かっとう)と苦悩を描いている。袴田死刑囚は現在も収監され無実を訴え続けている。
映画『BOX 袴田事件 命とは』は渋谷ユーロスペース、銀座シネパトスにて現在公開中