サンダンス映画祭で、ワールド・シネマ審査員賞でグランプリ!17歳の少年が犯罪一家の一員に!
今年のサンダンス映画祭で、ワールド・シネマ審査員賞でグランプリを受賞した『アニマル・キングダム/ Animal Kingdom』(原題)について、デビッド・マイコッド監督、女優ジャッキー・ウィーヴァー、そして新人で主役を演じたジェームズ・フレッチェヴィルが語ってくれた。
本作は、ある日母親の急死した、17歳の少年ジョシュア(ジェームズ・フレッチェヴィル)が、面識のなかった祖母に引き取られたが、それはメルボルンの暗黒街を牛耳る犯罪一家だったというストーリー。ジョシュアのもとに歩み寄る刑事(ガイ・ピアース)と、犯罪一家との心理戦が始まっていく。
「キャラクター設定が多いから、1人1人を理解させるために、犯罪一家が犯した罪には触れなかったんだ」と話すマイコッド監督は、観客がジョシュアの視点で犯罪一家を追っていくように、脚本を構成していったのだという。
孫を迎え入れる優しい祖母から、犯罪一家の母親としての2面性を持つ演技をしているジャッキー・ウィーヴァーは、「撮影に入る前に、私の友人に臨床心理学者の人がいて、反社会的な人の脳裏を勉強してみたの」と熱心に役づくりをしてことを明かした。異常なまでの優しさが、犯罪者である息子たちを横暴にする、心理戦の大きな鍵を握るキャラクターになっているそうだ。
新人俳優ジェームズは、ハリウッドでも活躍するオーストラリア出身の俳優ガイ・ピアースについて、「アングルを変えて何度も撮影したシーンで、グラスを持つ指の位置が全く変わっていなかったんだよ!」と明かし、プロの演技を目の当たりにして驚嘆したようだった。
マイコッド監督は、ナタリー・ポートマンとジョセフ・ゴードン=レヴィットが出演している『レベル / Rebel』(原題)の脚本にも携わっている、期待の俊英だ。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)