フェイスブック誕生の秘話を描いた『ソーシャル・ネットワーク』が全米ナンバーワンに! -10月4日版
全米ボックスオフィス考
世界中で大人気の交流サイトFacebook誕生の裏側を描いたデヴィッド・フィンチャー監督久々の話題作映画『ソーシャル・ネットワーク』が全米第1位に決定した。
コンピューターの天才マーク・ザッカーバーグが大学在籍中に立ち上げたFacebookが野火のような勢いで広がり大成功を収め、マークはフォーブス誌が発表した「世界で最も若い10人の億万長者」第1位になるものの、サイトの著作権をめぐる友人同士の醜い争いなど、舞台裏ではいろいろあったFacebookの現在に至るまでの経緯を描いた作品だ。
『ソーシャル・ネットワーク』は2,771館で公開され、今週第2位の映画『ガフールの伝説』の2倍以上にあたる興行収入2,245万ドル(約19億825万円)をたたき出しており、気の早い批評家たちの間ではすでにアカデミー賞候補に値するとのうわさも流れている。ローリング・ストーン誌の著名映画評論家は『ソーシャル・ネットワーク』に対して、「今年観たベスト作品のそのまた上をいく傑作!」とベタボメしている。この作品がこの後、口コミでどれだけ成績を伸ばすかに注目。配給会社ソニー・ピクチャーズの観客調査によると、映画を観に来ていた観客の53パーセントが女性、そして全体の55パーセントが25歳以上であったことが明らかになった。(1ドル85円計算)
第2位は1,089万ドル(約9億2,565万円)の成績で先週からの順位を守った『ガフールの伝説』。先週より32.4パーセント売り上げ減と、チャート上位10作品の中では二番目に少ない降下度を記録して健闘している。ちなみに封切り後10日間の総合売り上げは3,010万ドル(約25億5,850万円)。
第3位は、映画『ウォール・ストリート』で1,000万ドル(約8億5,000万円)の成績。第2位の『ガフールの伝説』とは逆に今週のトップ10中で一番落下度が大きく47.4パーセントだった。前作に比べるとデビューは『ウォール・ストリート』の方がはるかに華々しかったが、上映館数の多さに対する観客数の割合を考えると、映画『ウォール街』のパフォーマンスの方が優秀だったことがわかる。
代わって第4位は、先週の第3位からワンランクダウンで975万ドル(8億2,875万円)の映画『ザ・タウン / The Town』(原題)。封切りされてからの合計興行収入は週末の時点で6,406万ドル(約54億4,510万円)。推定製作費が3,700万ドル(約31億4,500万円)だったことを考えると上々の結果だ。
トップ5最後の作品は、映画『イージーA / Easy A』(原題)で675万ドル(約5億7,375万円)。マイナー路線のティーン映画だったが出だしが好調だったことから、配給会社はここぞとばかりに急きょ上映館を118館アップ。公開後17日間にして4,220万ドル(約35億8,700万円)の総合収入と、悪くない成績である。
さて次回のチャート予想だが、今週末の新作ラインナップはかなり地味。初登場第1位が無理とは言い切れないものの、このラインナップからいけば……ということもありえそうな雰囲気だ。とはいえ、とりあえず上位に入りそうな作品を2本ご紹介しよう。
1本目は、サスペンス・ドラマ映画『ストーン』。主演ロバート・デ・ニーロ、共演ミラ・ジョヴォヴィッチ、エドワード・ノートンとキャストはかなり豪華で、もし新作から第1位が出るとしたらこの作品になるのはほぼ確実。ただ配給が大手スタジオではないからか、本作は大々的PR作戦もなく、小粒扱いとなっている。映画ポスターも、中央に太文字ブロック体でSTONEとデカデカ書かれその字の中にロバートら3人の写真がはめ込まれているのだが、これもよく見ないと一体誰が写っているのかわからないばかりか、下手すると文字の中に俳優の写真があることすらわからないというお粗末さ。これではせっかくいい俳優が出ているのに、もったいない! こういったことが映画の売り上げにどう響いてくるかは、次回のランキングを見てのお楽しみである。
2本目は、ホラーファンが喜ぶ映画『マイ・ソウル・トゥ・テイク / My Soul to Take』(原題)。ハロウィーンまであと3週間となったこのシーズンにうってつけの恐怖映画だ。こちらもトップを狙えるかといえば少々疑問だが、うまくするとトップ5に入る可能性はある。(文・取材: アケミ・トスト/Akemi Tosto)