「ホビットの冒険」映画化は史上最高の製作費409億円が必要?
ピーター・ジャクソン監督が企画を進めているトールキン原作の映画『ホビット / The Hobbit』(原題)が、これまで作られた映画の中で最も製作費がかかる映画になるだろうと報じられている。
テレグラフ紙(電子版)によると、これまで莫大な製作費をかけて作られた映画はジョニー・デップ主演の大ヒットシリーズ第2作『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』の推定2億2500万ドル(約185億円)だが、『ホビット』はこの倍以上の5億ドル(約409億円)がかかるのでは、と言われており、映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ3作品を合わせた製作費、約2億8100万ドル(約230億円)の2倍にも達する勢いだという。
製作費のふくらみは、配給やスタジオの問題で製作が数年間遅れていることが大きくかかわっている。予定していた監督の降板のほか、原作者トールキンの子孫であるクリストファー・トールキン氏とプロデューサーの間では、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの利益配分について対立もある。3作品を通じた利益は約60億ドル(約4900億円)あると言われているが、トールキン氏側がより大きな利益配分を与えられない限り『ホビット』の映画化権を取り消すことも辞さない構えだという。さらにジャクソン監督は俳優たちの契約問題で俳優組合とも対峙(たいじ)していることから、製作にまつわる問題は山積みだ。これ以上の製作の遅れはさらなる製作費の上乗せとなり、製作側にとって、また完成を楽しみに待っているファンにとっても頭の痛い話となりそうだ。