三鷹の森ジブリ美術館で「ねこバスから見た風景展」がいよいよスタート!メイやサツキが見た風景が目の前に!
3日、三鷹の森ジブリ美術館で企画展示「ねこバスから見た風景展」内覧会が行われ、その入り口に映画『となりのトトロ』に登場する大きな「ねこバス」が登場、来場者を出迎えた。
本展示は、スタジオジブリの特徴の一つである「背景美術」にスポットを当て、『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』といった作品の背景画を、立体造形物などと組み合わせて紹介するという内容。入り口にある大きなねこバスの窓には、『となりのトトロ』の風景画を展示。バスの中には、ふわふわの座席が設置されており、そこに座りながら風景を眺めるように、作品を鑑賞できる構造となっている。見ているうちに、いつしか映画の中に入り込んだ気持ちになれそうだ。また、同美術館の中島清文館長は、「三鷹の森ジブリ美術館では、ねこバスルームが2階にありますが、普段大人は入れません。しかしこの展示会ではおよそ1年間、大人も入れるので、ねこバスに触ることができます。あくまで『ねこバスから見た風景』というのが趣旨ですが、やっぱりねこバスはいいですね」と笑顔でコメント。
宮崎駿監督が「背景美術が映画の品格を決める」と公言する通り、スタジオジブリにとっては「背景美術」が大きな役割を果たしている。中島館長はそのことについて、「『となりのトトロ』でも、こんもりとした森とか、田んぼのあぜ道とかが出てきますが、確かにこういうふうに見えるよね、とか、こういうふうに感じられるんだよね、というように描くことを背景美術では大切にしています」と強調。そのためには雑草ひとつを描くのにもこだわっており、「わざわざ土から雑草を取ってきて、植木鉢に入れて。そこから生えてくる様子を研究したりしています。そのへんのこだわりも見てもらいたいですね」と展示会の見どころについて語った。
三鷹の森ジブリ美術館は今年で10年目を迎え、本展示会が10周年記念展示ということにもなる。中島館長も「記念という意味合いは考えていなかったんですが、10年目にこうやって、ジブリ作品の名場面を作ることができたのはちょうどよかったなと思っております」とコメントし、美術館のこれからについて、「12年目、13年目と新しいひと工夫を加えながらやっていきたい」と意気込みを語った。
本展覧会では、その他に映画『千と千尋の神隠し』の湯婆婆の部屋や、千尋のお父さんとお母さんが豚になってしまった屋台などの展示も行われる、ジブリファン必見の内容となっている、また、映像展示室、土星座では、『となりのトトロ』のオープニング曲「さんぽ」を作詞した児童文学作家、中川李枝子原作の短編アニメ「たからさがし」も上映。宮崎駿が企画・構成を担当した本作は、躍動感あふれる映像世界で、視覚的な楽しさにあふれた快作となっているのでそちらも注目だ。(取材・文:壬生智裕)
「ねこバスから見た風景展」は三鷹の森ジブリ美術館にて2011年6月4日から2012年5月まで開催予定
※三鷹の森ジブリ美術館は日時指定の予約制(ローソンでのみチケット販売)