史上最弱ボクサーの伝説!300戦256敗のピーター・バックリーを『ザ・ダイバー』監督が映画化
19年間のキャリアでわずか32勝しか記録できず、「最弱のボクサー」とも称されたピーター・バックリーさんの伝記映画の製作が進んでいるとバラエティー誌が報じている。監督を務めるのは、実在の黒人ダイバーを描いた映画『ザ・ダイバー』のジョージ・ティルマン・Jr。同じボクシングを題材にしてはいるものの、オスカー候補にも挙がった映画『ザ・ファイター』とはまったく違う、勝利を追い求めなかった男のドラマを描くことになりそうだ。
ピーター・バックリーさんは、2008年に引退するまで300戦32勝256敗12引き分けという成績を残したウェルター級のボクサー。メジャータイトルに挑戦したことはなく、将来有望な若手選手の当て馬として長年にわたってリングに立ち続けた結果、88連敗を含む通算256敗という史上2番目に多い負け数を記録した。だがその一方で、役割上多くのチャンピオンたちと拳を交わしており、また大多数のボクシングファンから愛されるなど、知る人ぞ知るボクサーとして人々に記憶されている。
バラエティー誌によると、そんなピーターさんの伝記映画製作に乗り出したのはジョージ・ティルマン・Jr。ロバート・デ・ニーロとキューバ・グッディング・Jrが出演した2000年の映画『ザ・ダイバー』では、アメリカ海軍で黒人として初めて“マイスター・ダイバー”となったカール・ブラシアの生涯を骨太な人間ドラマとして描き出した手腕の持ち主だけに、今回の映画化にも期待できそうだ。
ボクシング映画といえば、『ロッキー』シリーズや『レイジング・ブル』、最近の『ザ・ファイター』など枚挙にいとまがない。だが、上記の映画はどれもリングでの勝利を目指したもので、負け続ける姿を追ったボクシング映画というのは珍しい。Cinema Blendによると、ピーターさんは過去のインタビューで、勝利ではなくボクシングすること自体を愛しているといった趣旨の発言をしているだけに、今回の映画化でもそのあたりを踏まえたものになるのかもしれない。(編集部・福田麗)