ベネチア映画祭でボヤ騒ぎ!中国のコンペ作上映中に観客が続々と避難
第68回ベネチア国際映画祭
第68回ベネチア国際映画祭コンペティション部門のサプライズフィルムが現地時間6日に発表され、中国の蔡尚君監督の映画『人山人海』が新たに加わり、コンペ作は23本となった。
しかし同作品の公式上映が行われた同日夜、会場のサラ・ダルセナでボヤ騒ぎが起こり、観賞していた約1,300人の記者や一般観客たちが騒然となる一幕があった。
異変が起こったのは映画開始後45分ほど経った時だった。場内場にビニールの焦げたにおいと白い煙が充満しはじめ、危険を察した観客たちが続々と会場外へと飛び出していった。そして上映は直ちに中止に。映画祭スタッフが駆けつけて煙の出元を調べると、スクリーン左脇にあるスピーカー近辺からたちのぼっていることが判明。おそらく漏電から、周辺のケーブルが焼け始めていたようだ。この応急処置により上映は約30分に渡って中断。した。大事に至らなかったのは幸いだが、記者たちは口々に「このボヤ騒ぎこそサプライズ」とブラックジョークを飛ばしていた。
実は『人山人海』は同日朝に別会場で行われるはずだったプレス試写も、映写機のトラブルでキャンセルになったばかり。監督第2作目で、ベネチア初参加となった蔡監督にとっても、何とも悔いの残るお披露目となってしまった。(取材・文:中山治美)