12歳の美少女がヤクザ役は問題作?荒川ちか初主演にして初の海外進出作!『ヤクザガール 二代目は10歳』
撮影当時、小学4年生にして映画初主演を果たしたロシア映画『ヤクザガール 二代目は10歳』の日本公開が決定した12歳の女優・荒川ちかが、映画初主演作にして海外初進出作となる本作についてを語った。
テレビドラマ「犬の消えた日」「スクール!!」、CM「キユーピーあえるパスタソース」など演技派子役として引く手あまたの荒川は現在12歳。10月18日スタートのNHKテレビドラマ「ビターシュガー」にも出演するという今注目の子役だ。本作の撮影時は10歳で小学4年生だったというが、「最初は日本で公開されるかどうかわからないと言われていたので、すごく心配だったんですけど、こういうふうに日本公開が決まってすごくうれしいです」と約2年越しでようやく劇場公開が決定した主演作の“日本凱旋(がいせん)”がうれしくてたまらない様子だった。
彼女のプロフィールには、特技として、タップ・歌・ダンスと並び、アクション(指導:坂口拓)という項目が入っている。本作に出演もしている坂口といえば、『デス・トランス』『VERSUS ヴァーサス』などで世界的に高い評価を受ける、日本でも屈指のアクション俳優であるが、「撮影がお休みのときに、坂口さんがアクション指導をやっていて、わたしも時々それに混ざって教えてもらっていました。アクションが大好きなんです!」と明かす荒川。大きな黒目が印象的な美少女という雰囲気の彼女だが、「中身は少年なんです」と笑っていた。
彼女がアクションに目覚めたのは、『ヤクザガール 二代目は10歳』の前に出演した、グラビアアイドルの手島優主演作『お姉チャンバラ THE MOVIE vorteX』のときだったという。「(手島が)刀でゾンビを倒していく映画だったんですけど、間近でアクション監督さんの指導する様子を観ていたらすごくかっこよくて。やりたい! と思ったんです」と語る通り、その熱い思いが本作オーディションのときに表れた。監督は『コーカサスの虜』『モンゴル』の名匠セルゲイ・ボドロフだったが、オーディションのときにハイキックを披露したことが、気丈な性格を持ち合わせる主人公のユリコに通じるとして高い評価を受けたという。その念願かなって、本作ではワイヤーアクションや剣道などのアクションにも果敢に挑戦している。
そんな荒川がこの世界に入ったのは5歳のときで、デビューは公共広告機構(現・ACジャパン)のCMだった。「将来はいろんな国の言葉が話せるような女優になりたいですね。でも、『犬の消えた日』というテレビドラマに出たときにはドッグトレーナーさんもいいなと思ったし、写真が好きなのでカメラマンにもなりたい。監督さんもやりたいし、アニメが好きだから声優さんもやってみたい。これじゃきりがないですよね」とはにかむ姿に、かわいらしく、あどけない12歳の少女の素顔が垣間見えた。
本作は、第80回米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『モンゴル』のセルゲイ・ボドロフ監督最新作。義理と名誉を重んじるヤクザの親分、山田(六平直政)は敵対する組との抗争を避けるため、孫娘のユリコ(荒川)をイタリアで生活させようと計画するが、途中、悪天候で緊急着陸したロシアで彼女を襲う魔の手が迫りくる。(取材・文:壬生智裕)
映画『ヤクザガール 二代目は10歳』は10月22日より銀座シネパトス、新宿K's Cinemaほか全国順次公開