仲里依紗、21歳で演じる妊婦に最初は戸惑い 演じることですっかりなじんだことを告白
女優の仲里依紗と俳優の石橋凌、そして石井裕也監督が、10月12日、開催中の第16回釜山国際映画祭で映画『ハラがコレなんで』の上映後に行われた舞台あいさつに出席。石井監督と石橋に続き、仲が韓国語であいさつした後、「わたしもアカすりとかして楽しんでます。みなさんも映画を楽しんで、何度も映画を観たいと思ってくれるとうれしいです」と観客に呼びかけた。
映画『ハラがコレなんで』は、「粋」を基準に生きている妊娠中の光子が、お金もなく行くあてもないにもかかわらず、落ち込んでいる人たちを助けてまわり、いつの間にかみんなを元気にしていく物語だが、妊婦を演じたことについて仲は、「わたしはまだ21歳なので、さすがに妊婦役は早いのかな、と思ったのですが」と当初はその役がらに戸惑っていたことを告白。しかし、「実際に演じてみると、光子という女性は、とてもパワフルで、うっかり妊婦であることを忘れてしまうほどでした」と続け、いつも前向きで元気な女性として演じたことで妊婦役も問題なかったと答えた。
また石橋は、好きな女性に何年も告白できずにいる男性を演じた感想を聞かれると、「私が今まで出演した映画では、いつも最後には殺されてしまうような悪い人の役ばかりでした。でも、今回の役のように愚直に生きていく役もいいな、と思いました。ただ、私自身は、告白するならストレートに伝えるタイプです」と答え、映画の中と自分は違うことを明言した。
最後に尊敬する俳優さんは? との質問に仲は、「たくさんいるのですが、影響を受けるのは、やっぱりレディー・ガガさんです」と答え、「震災後に日本に来たとき、お会いしたのですが、とてもパワーのある人で、エネルギーを感じたんです。そのような影響を与えるような人に魅力を感じます」と答えた。
松尾芭蕉や「諸行無常」「万物は流転する」という精神性に惹かれているという石井監督。風に身を任せて生きていく光子の姿に、映画を見終わった会場の人たちも、人生は合理的な考え方だけではないことを感じたのではないだろうか。(取材・文:芳井塔子)
映画『ハラがコレなんで』は、11月5日(土)、渋谷シネクイントほか全国ロードショー