すべてを手にしたオスカー女優ニコール・キッドマンが、ベールに包まれた私生活を赤裸々に告白!
映画『ラビット・ホール』で、初の製作と主演の二役に挑んだオスカー女優ニコール・キッドマンが、同作について語りつつ自身のプライベートについても言及。トム・クルーズとの離婚を経て、再婚したカントリー歌手のキース・アーバンとの間に2人の娘を授かったことで、40代でキャリアと幸せな家庭の両方を手に入れた喜びを率直に語った。
トニー賞、そしてピュリッツァー賞に輝いた、デヴィッド・リンゼイ=アベアーの同名戯曲に感動したニコールは、すぐさまこの作品の映画化に向け行動を開始。彼女が白羽の矢を立てたのは、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』などの鬼才ジョン・キャメロン・ミッチェル監督だった。大切な息子を失い途方に暮れ、どうにかして関係を修復しようとする夫婦がお互いに空回りしていく様を描いているが、決して暗く重苦しい話にはせず、希望を残しているのがこの映画の素晴らしいところだ。
本作で、困難な状況にあるベッカを演じるにあたり、役に入り込み過ぎて何度か夜中に泣きながら目を覚ましたこともあったというニコールを慰めたり、励ましたりして支えてくれたのは、ミュージシャンの夫だったとか。彼女の夫のキース・アーバンは、「二人のきずなのためなら、どんなことだってすると生まれて初めて心に誓ったんだ!」と最愛の妻にすてきな愛の言葉を贈っている。それに対して彼女は「わたしは彼にとても愛されていると感じるし、彼が与えてくれたのと同じだけの愛情を彼にお返したいと思っているわ。この関係を末永く続けていくことこそが、わたしにとって何よりも大切だから」と応える。
2002年には『めぐりあう時間たち』でアカデミー賞主演女優賞を獲得し、本作ではアカデミー賞ならびにゴールデン・グローブ賞で主演女優賞のWノミネートを果たしたニコールの人生は順風満帆そのもので、一見この作品とは対極にあるように見える。女優として高額のギャラを稼ぐことができ、愛する夫とかわいい娘2人に囲まれ、ニューヨークの1,000万ドル(約8億円・1ドル80円計算)のペントハウスだってポンと買うことができる彼女だが、これまでの道のりは決して平坦ではなかったという。「30代後半のわたしは新しい出会いにも期待していなかったし、自分が赤ちゃんを産むなんていうことはもうないとあきらめかけていたの。だからこそ奇跡的に子どもを授かったときは本当にうれしかったし、今はそんな素晴らしい体験ができたことに感謝しているのよ」と語る。
自分のすべてを受け入れてくれる相手がいるということは、この作品の鍵でもある。ニコール同様ヒロインのベッカには夫のハウイーがそばにいるからこそ彼らには未来があるのだ。安定とはほど遠い、浮き沈みの激しい人生を孤独と戦いながら生き抜いてきたニコールだからこそ演じられる、ヒロインの人生の光と影を映し出した切ない物語をぜひとも堪能してほしい!(文:平野敦子)
映画『ラビット・ホール』は11月5日より全国公開