がんを克服したSOPHIA・都啓一、闘病体験を語る!「怖いから検査に行かないのではなく、早く見つけて治そう!」
31日、若くしてがんを克服した脚本家の実体験をユーモラスに描いた映画『50/50フィフティ・フィフティ』の公開記念イベントが東京・アスミック・エース試写室で行われ、来日した脚本家のウィル・レイサーと、同じくがんを克服し今年見事に復活したロックバンド・SOPHIAの都啓一が対面し、お互いの体験についてリアルな本音を語り合った。
6年前に脊髄(せきずい)ががんに侵されていることが発覚し、その経験を基に本作の脚本を書いたウィルと、昨年3月に「ろ胞性悪性リンパ腫」に侵されたことを発表し、その後闘病生活の末に見事克服、今年8月には復活ライブを日本武道館で行った都。イベントではまず、ウィルが本作の脚本を書いた経緯について「闘病中は友人のセス・ローゲンと一緒に過ごしていました。二人共コメディーライターなので、つらい体験ではあったけど、笑いながら過ごしていた。そうしているうちに、ガンを明るく描いた作品がないことに気付いて、脚本を書くことにしました」と本作がユーモラスに仕上がっている理由を明かした。
そんな本作で描かれている心情には共感しきりだったという都は「とてもリアルでした。観ながら自分のことを思い返しましたし、父親も観て同じようなことを思っていたそうです」とコメント。自身の闘病生活に触れて、「抗がん剤治療の間はすごくしんどくて、どういう状況になっているかよくわからないときもありました。でも、CTをとって半回復したときに家内が初めて泣いたそうなんです。そのときに初めてすごく大変な苦労を掛けていたんだろうって身近に感じました」と闘病生活を振り返った。
さらに、SOPHIAとしても「活動中止の間もボーカルの松岡充君が親身になってくれて、僕が自宅でできる仕事を持ってきてくれたりしましたね」と友情が大きな支えになったという当時の状況を打ち明けた。
そんな闘病生活を通して家族や友人の大切さを改めて感じたという都は、「早期発見が大切です」と力強くコメント。「見つかるのが怖いから検査に行かないのではなくて、早く見つけて治そうってことをたくさんの人に言いたい。そうすることで、たくさんの周りの人たちが悲しむ心が減ると思う」と訴えていた。
映画『50/50フィフティ・フィフティ』は27歳という若さで生存率50パーセントのがんに侵された青年の葛藤(かっとう)と周囲の人々の姿を、笑いと涙を交えてつづるハートフル・ドラマ。(取材・文:中村好伸)
映画『50/50フィフティ・フィフティ』は12月1日より公開