ローリング・ストーン誌の2011年ベスト映画決定!意外や意外!スコセッシでもブラピでもなくライアン・ゴズリング主演『ドライヴ』に!
米ローリング・ストーン誌が2011年のベスト10映画を発表し、ブラッド・ピット主演の『マネーボール』やマーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』など話題作が並ぶ中、ライアン・ゴズリング主演のクライム・アクション『ドライヴ』が1位に選ばれた。
昨年、『ソーシャル・ネットワーク』をトップに、『インセプション』、『英国王のスピーチ』、『ブラック・スワン』、『127時間』など、アカデミー賞をはじめ各映画賞を騒がせた作品が並んだローリング・ストーン誌のベスト10映画。そんな注目のランキングのトップに、今年は第64回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した映画『ドライヴ』が選ばれた。
本作は、昼はハリウッドのスタントマン、夜は強盗の逃走を手伝う運転手という生活を送る男が、同じアパートに住む人妻と親密になったことをきっかけに、裏社会を相手にしたトラブルに巻き込まれていく様を描くサスペンス・アクション。昨年公開された『ブルーバレンタイン』で注目を集めたライアン・ゴズリングが、名前のない主人公「ドライバー」を演じ、キャリー・マリガンが、彼が愛する女性役で出演。
ストーリーから受けるイメージでは、まるで『ワイルド・スピード』シリーズのような、賞レースとは無縁な映画に思われかねない本作。しかし、デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン監督は、本作を、丹念な人間ドラマと残酷なバイオレンスが交差する映画として、計算された映像美とサウンドトラックと共に描き、第64回カンヌ国際映画祭でパルムドールにノミネートされ、監督賞を受賞した。公開されたポスター画像からも、アクション映画とは違う、アーティスティックな雰囲気を漂わせている。
無表情で寡黙(かもく)なドライバーを存在感タップリに演じたライアンや、ヒロインのキャリーはもちろん、悪役を演じたアルバート・ブルックスら俳優人への演技への評価も高く、演技賞含め、ニューヨーク映画批評家協会賞やボストン映画批評家協会賞など数多くの映画賞で受賞数を増やしている。発表の迫るゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞へのノミネートが期待されているが、ローリング・ストーン誌では、ベスト作品に選出しながらも、そのあまりに残酷なバイオレンス描写ゆえにアカデミー賞から相手にされないだろうとしており、その結果にも注目したい。(編集部・入倉功一)
映画『ドライヴ』は2012年3月31日より新宿バルト9ほか全国公開予定