小栗旬がオロオロ!?おまけに号泣!出演映画『キツツキと雨』本編映像が初公開!
映画『南極料理人』の沖田修一監督の新作映画『キツツキと雨』の本編映像が初公開された。小栗旬演じる25歳新人監督・幸一は、役所広司演じる木こりに怒鳴られ、山崎努ふんする大物俳優にねぎらわれたときには涙をこぼしてしまうという気弱な一面のある人物。これまでの男らしいイメージを覆す、小栗のなりきりぶりが楽しい映像となっている。
役づくりについて、小栗は「すべて監督のクセなんです、つめをかむのも、腕をかむのも」と本作の沖田監督を参考にしたことを明かす。だが、それは決して揶揄(やゆ)しようと思ってのことではない。「確かに、幸一は気が弱いかもしれませんが、周りのペースに対応しきれなくて、置いていかれているだけ」とキャラクターのベースにあるのは、誰しも一度は感じる違和感や疎外感といったものだ。
また、沖田監督はもちろんのこと、小栗自身、『シュアリー・サムデイ』で監督デビューを果たしている。その経験も役に生きた。「映画の中では、幸一がプレッシャーに負けて、逃げ出してしまうシーンがあります。そのときの気持ちは、僕が映画を撮影していたころ、日々感じていたことでした」。
男らしい、キッパリサッパリとしたイメージがつきまとう小栗だけに意外なことだが、「自分の希望で始めたことですけど、いざやり始めてみたらとても大変で、明日は雨だったらいいのにと思ったり、誰もいない場所に行きたいなーと思ったり、幸一の役を演じるにあたって自分のことを思い出しましたね」と告白している。そのかいあってか、作中での演技は説得力抜群。映画監督という存在を、見事に身近なものと思わせることに成功している。
一方で、本作の脚本を手掛けた沖田監督も、脚本に自分の経験を盛り込んでいる。その一つが、幸一がどの靴下をはけばいいのかわからなくなるシーンだ。そうした細部にリアリティーがあるからこそ、小栗の役づくりも生きてくる。本作で沖田監督と小栗がタッグを組んだことそれ自体が、本作における奇跡なのかもしれない。(編集部・福田麗)
映画『キツツキと雨』は2月11日より全国公開