ゆうばり映画祭グランプリは大阪発のバイオレンス作!! キンコメ今野は急きょ設置の男優賞を獲得!
26日、北海道夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012」のクロージングセレモニーが開催され、大阪出身の32歳、石原貴洋監督の『大阪外道』がオフシアター・コンペティション部門グランプリに輝き、次回作の制作資金として200万円を獲得した。
若手映画人の登竜門として、若い才能を数多く発掘してきた同部門。今年は12本の作品がノミネートされ、審査委員長の廣木隆一監督のほか、女優の速水典子、映画祭プロデューサーのアルベルト・カレロ・ルゴ、韓国の映画祭プログラマーのジン・パク、いまおかしんじ監督ら計5人の審査員たちによる審査が行われた。
グランプリを獲得した『大阪外道』は、大阪の下町を舞台にしたバイオレンス作。ヤクザも恐れる「外道」と「非道」という2大巨頭が存在する街で、展開される問答無用のドラマを12歳の少年の視点から描き出す成長物語。石原監督は昨年の北海道知事賞を受賞した『バイオレンスPM』に続くゆうばり参戦にして、グランプリ受賞となった。ガッツポーズと共に壇上に上がった石原監督は「去年、審査員だったナ・ホンジン監督から『お前は調子に乗りそうな顔をしているから、調子に乗るなよと言われていて。その気持ちを忘れないようにしたい」と謙虚に決意を語った。
審査員長の廣木監督は「役者にリアリティーがあって、演出力のある監督」と審査の決め手を解説した。またこの日は、各部門のほか、審査員たちがベストアクター・ファンタスティック・メンションを急きょ設置、『くそガキの告白』の今野浩喜(キングオブコメディ)、『どんずまり便器』の菜葉菜に同賞を授与。今野が「ゆうばり、ありがとうございました!」とコメントすると、菜葉菜も「映画女優と呼ばれたくて地道にコツコツとやってきた。これからも映画で頑張っていきたい」と決意を語った。
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012」は、本日17時の時点で1万1,871人を動員し、去年よりも多くの観客を集めた。今年も、明日のグランプリ上映をもって、映画祭の幕を閉じることになる。(取材・文:壬生智裕)
■オフシアター・コンペティション部門の結果は以下の通り
ファンタスティック・メンション:今野浩喜、菜葉菜
シネガーアワード:『くそガキの告白』(鈴木太一監督)
北海道知事賞:『ビートルズ』(坂下雄一郎監督)
審査員特別賞:『くそガキの告白』(鈴木太一監督)
グランプリ:『大阪外道』(石原貴洋監督)